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【解説】今がお買い得!?当時不人気だったマツダ NCロードスターはおすすめだ!

2005年に3代目を発売したマツダのロードスターNC型。3代目のロードスターといえば、歴代ロードスターの中では不人気と言われていた。これを言うユーザーはだいたいNC型に乗ったことのない人と言われている。そもそもなぜ不人気と言われてしまったのか。その理由も含めて今回はNCロードスターの解説をしていく。

NCロードスター誕生の背景

今回解説するNC型ロードスターは2代目NBロードスターが販売されてから7年後の2005年にフルモデルチェンジをして販売されたモデルだ。初代NAロードスターが大ヒットし、フルモデルチェンジをした2代目のNBロードスターからリトラクタブルヘッドライトがなくなった。リトラクタブルヘッドライトがなくなったからか、初代に比べると少し人気が落ちてしまったNBロードスター。しかし、NAロードスターに比べて、性能が良くなっていたため売れ行きは好調だった。それは現在の中古車市場の値段を見れば、今でも人気であることが分かる。中古車の値段が上がったのは頭文字Dに登場したことが大きな理由だと考えられる。

そして、フルモデルチェンジして誕生した3代目のロードスター。歴代ロードスター同様に人気がでると思いきや、不人気となってしまった。
その最大の理由はボディの大型化だろう。まずNC型ロードスターの見た目で一番変わったところは5ナンバーサイズから3ナンバーサイズになったことだ。先代のNBロードスターの全幅は1680mmだったが、NCロードスターは1720mmとなり、40mmワイド化した。

ボディの大型化には理由がある。3代目のNCロードスターが販売された2005年、マツダはフォードの傘下でだった。そして業績が良いとは言えなかった当時、ロードスター専用のプラットフォームを新設する余裕はなかった。そのため、3代目NCロードスターはRX-8と同じプラットフォームを使っている。ただ、RX-8と全く同じ部品が使われているわけではない。基本構成や形状は同じものの、全ての部品は新規に設計した。

内外装について

外装や内装はロードスター専用設計となっている。外観のデザインは2代目NBロードスターよりも初代ロードスターを思い出すかのようなフラットなラインを使用したデザインに変化した。

3代目NC型ロードスターの特徴は張り出したフロントフェンダー。そしてマフラーのエンドパイプが2本になったことだ。これらにより先代よりもスポーティーな見た目になった。

ちなみに内装も2代目NBロードスターのようなセンターパネル一体型ではなくて初代と同じ分割デザインになった。さらにNBロードスターでは助手席側にあったサイドブレーキが運転席側に変更された。

進化した幌

NCロードスターで大きく変わった装備といえば幌の畳み方だ。NBロードスターまではトップの内側が上部に露出するような形で畳まれていたが、NCは屋根の外側が上になるようになった。見た目もスマートになった上に、幌の内側が汚れないメリットがある。そして幌のロックは、NBまでは運転席側と助手席側の合計2箇所だったのが、NCからはセンター1箇所のみになり、先代よりもオープンにする手順が楽になった。

ちなみに3代目のNCからは電動開閉ハードトップが登場した。しかもこの電動開閉システムは開閉に要する時間が約12秒と世界最速だった。

スペックについて

NC型ロードスターでは2000ccが登場した。幌タイプのロードスターで2000ccなのはNCロードスターが最初で最後となっている。現行ロードスターではハードトップタイプのみ2000ccが選択可能だ。
ちなみに日本版では2000ccのみだが、輸出仕様のロードスターであるMX-5には1800ccもラインナップに並んだ。
そして、排気量が上がったにも関わらず、先代に比べてエンジンの重さは19.1kgも軽くなっている。2代目NBロードスターの時も軽量化にはかなりこだわっていたが、今回はグラム戦略という軽量化を達成するための一大プロジェクトが行われた。

軽量化への努力

グラム戦略とはナット1本に至るまで削れるものは徹底的に削って軽量化した作戦だ。冒頭でも伝えたがNCロードスターに使われているRX-8のプラットフォームにはアルミが使われていて、軽量化しながら予算も削減できる一石二鳥の役割があった。
軽量化にこだわった結果、室内のバックミラーまでもがNBロードスターに比べて84gの軽量化に成功している。

不人気だった理由

販売当時に不人気だった理由はたくさんあるが、やはり一番の原因はRX-8のプラットフォームを使ってしまったことでボディサイズが大きくなり、排気量が2000ccにアップしたことでパワーは上がったものの、重さが増えてしまったことだと思う。
ライトウェイトスポーツとして売り出されていたロードスターが重くなった上に3ナンバー化したことで、ロードスターとは別物だと思われてしまったのだろう。

私のように初めて乗るロードスターがNCロードスターなら問題はないと思うが、初代やNBから乗り換える人から、NCロードスターは受け入れられにくく、不人気と言われてしまったのかもしれない。でも実際にはボディサイズも車重もそこまでNBとは変わらない。ただ、ロードスターはライトウェイトスポーツカー。それなのに新型ロードスターが歴代で一番重くてでかいとなったらファンが幻滅するのも共感できる。

生産台数

NCロードスターの総生産台数は約23万台。ちなみに2代目NBロードスターは29万台だった。この数字だけ見ると不人気と言われていた割には売れているような気がする。
ただ、総生産台数は世界の話だ。日本国内での販売台数はたったの1万9000台。そのため、日本よりも海外で大ヒットした車と言える。その理由はいくつかある。
NCはこれまでの5ナンバーサイズから、3ナンバーサイズになったことで、大柄な体型が多い海外では、歴代よりも窮屈さを感じにくい車に仕上がった。さらに2000ccのエンジンで約170馬力もあり、ハイパワーが好きな海外の人にはかなり受けが良い結果となった。そして、日本に比べてロードスターへの車重にこだわりがあまりなかったことが、海外で人気が出た理由だろう。

中古車市場

ちなみに現在の中古車相場ではカーセンサーによると全国で250台ほどある。値段は安いものならATで35万くらいからで高いものだと300万を超えるものもある。いつの間にこんな値段になっていたんだ。NC型ロードスターも希少価値が出てきて値段が上がっている傾向にあるようだ。状態の良いロードスターはどんどん少なくなるため、今欲しいと思っている人は今がお買い得だ。

ちなみにNBロードスターの中古車市場価格もNCロードスターと大差ないため、買うなら少しでも新しいNCロードスターはおすすめ。ロードスターはパーツも豊富なため中古車で買っても苦労することは少ないと思う。

【結論】不人気でも楽しめる車!これ以上価格が上がる前に買うべき1台!

今回の解説は以上となる。NCロードスターは、NAやNBからしっかりと進化しており楽しめる車に仕上がっている。そして、ネットで言われる重量はさほどNBと変わりないことが分かった。ネットの情報を見てNCロードスターを選択肢から外すのではなく、ぜひ自分の身で体験してほしい車となっている。ちなみに3代目ロードスターは不人気と言われているが、ちゃっかり2005年から2006年の日本カーオブザイヤーを獲得している。私もNCロードスター購入の旅に出るとしよう。

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